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2008年11月28日

大学のレポートに役立つ 栄養教育(思春期編)

思春期の特徴
【青春期(思春期)の特徴】
思春期は、小児期から成熟期へ移行する時期で、人格形成にとって大切な時期であると同
時に、身体的に成熟し、母性・父性を育む時期でもあります。
動が高まる現象に、男性、女性としての「性」を受容し、自己を確立していくための精神
的動揺が重なり、不安定になります。
また、学校生活、地域生活など生活範囲も広がり、「人」としての社会的役割も変化し、
乳幼児期の依存状態から自立するまでの移行期でもあります。
また、生活習慣が確立する時期であると同時に、生活が不規則になる時期でもあり、喫煙
・飲酒などへの関心が高まったり、肥満や生活習慣病の兆候などが現れたりします。
【思春期の脳は発達の途中段階】
思春期の体は大人でも心は子供と言われています。これは、脳の発達からみても言えるこ
とです。例えば、脳の働きを見る検査に脳波検査というものがあります。脳は、神経細胞
が電気を起こして活動することによって働いています。この電気活動を外から記録するも
のが脳波検査です。そうすると、大体成人の脳になるなというのは、10代半ばから後半
なのです。脳波検査で脳の成長を見てみると、年齢とともに徐々に子供の脳から大人の脳
に変化する様子が分かります。
【知能や物の見方も発達の途中段階】
脳の発達と対応して、知能やものの考え方についても、同じことが言えます。例えば、学
校の勉強では、算数から数学に変わります。算数は、具体的なものや数字を使って計算し
ますが、数学になると記号に置き換えて数式だけでものを考えることができるようになり
ます。日常的なものの考え方についても、抽象的な考え方が備わってくる途中段階と言え
ます。
【思春期特有の脳と心】
このように、脳は子供から大人へと変わっていき、思春期はその段階にあります。しかし、
それだけではありません。思春期頃に特有の脳の活動というものがあります。思春期は、
それ以前にあるいは、それ以後と比べて、脳のドーパミンと言う物質の働きが強く現れる
時期なのです。ドーパミンの働きが強く現れるとどうなるかというと、物事に対する興味、
好奇心などが高まります。ちょうど、思春期は大人の世界を覗いてみたくなる時期ですが、
その背景にはこのような脳の変化があるのです。一方、行動を抑制する働きはまだ十分で
はないので、すぐに行動に突っ走ってしまう、と言うのもこの時期の特徴です。
【心のあぶなかしさ】
思春期の行動は、周りから見てあぶなかしいものですが、精神的にもあぶなかしい時期で
す。チック(※1)などの軽い症状もでやすいですが、統合失調症(※2)などの重い心
の病気がでてくるのは、まさに思春期なのです。どちらの病気も、ドーパミンが関係して
いる病気です。また、この時期は、タバコやお酒をはじめ、いろいろなものに染まりやす
い時期です。好奇心が旺盛なために手を出しやすいというだけでなく、この時期は、大人
よりも、ずっと早いスピードで依存症になってしまう特徴があります。

※1 チック
チックとは突発的で急速であり、かつリズムなく繰り返されるパターン化した運動、ある
いは発声をさします。チックは一定の時間は意図的に止められますが、抵抗できない不随
意なものです。チック症は子供にみられる運命的な悪癖ではなく、トゥーレット症候群
を含めて、多くの場合、予後は良好です。一部では重症となり、適応が困難になりますが、
薬物療法は重いチック症のコントロールを可能にし、よりよい治療法と適応への展望をひ
らきつつあります。

※トゥーレット症候群
トゥーレット症候群は、音声及び多発運動チックが合併したチック症の類型で、チック障
害のうちで最もよく研究されています。
※2 統合失調症
統合失調症の原因は未だ不明なうえに、普通は18〜20歳以後に発病することが多いこ
の病気が、どうして子供におこることがあるのかはわかっていません。
統合失調症に特有ないくつかの症状ができるようになる年齢は、ほぼ9歳前後であると言
われています。それ以前での発病は極めてまれです。9歳以後でも12歳前後までは頻度
はかなり少なく、13歳、すなわち中学校に入学したあたりから急に増加してきます。
14歳、15歳になりますと専門医にとってはそれほど珍しくはなくなってきます。
典型的な症状である幻覚や妄想が出現すれば診断は容易ですが、子供の統合失調症の多く
はゆっくりと潜伏性に発病してくるので、なかなか診断がつけられないのが特徴です。
症状としてはまず妄想が挙げられます。幻覚は妄想の内容に対応した幻聴が多いのですが、
子供の場合はっきりしないことが多く、また幻視を訴えることも少なくありません。
このように妄想や幻覚が出現してもその内容がはっきりしないことが多いのは、言葉での
表現が未熟であったり、ある話の体系を創造する力がまだ乏しいことによるのではないか
と言われています。

【自意識】
自意識に目覚めるのも思春期の特徴です。
大人への発達段階で、ときには親よりも成長した自分への驚きの伴った強い意識であるこ
ともあります。親よりも強いという意識が親を虐待する行動に表れることもあります。
思春期には、自意識は自意識過剰となって現れることがよくあります。人前に出るときや
人前で話すときに過剰に自分を意識します。人前を歩くときさえ不自然なほど自分を意識
することがあります。心と体のアンバランスな発達が自意識を歪めることがある。
心と体のアンバランスな発達と自意識過剰が調和を保った発達を妨げます。
【男女の違い】
思春期が始まると男女は外見に変化が起こります。これを第二性徴と言います。
男性の特徴:ひげ、喉仏、広い肩幅、がっちりした腰、すね毛、胸毛、筋肉の発達
女性の特徴:骨格がやや小さい、皮膚が柔らか、バストの隆起、細い腰、豊かなヒップ
(骨盤が比較的大きい)、皮下脂肪がやや多い。
第二性徴の現れは、人が成長し成人になったことを示す喜びに値することです。このよう
な変化すべてが体内の性と関係のあるホルモンの分泌により起こります。一人一人の変化
の起こる時期と程度は同じではなく大きな差があります。
男女のもっとも大きな差異は生殖器官が違うことです。生殖器官は外部生殖器(身体の表
の部分)と内部生殖器(身体の内)の二つに分けられます。小さい頃から両親は子供の生殖器の発育
が正常かどうか注意しなければいけません。性器官は分泌物があり、また排泄器官と隣接
しているので、外部生殖器の清潔には特に注意が必要です。

思春期の生活習慣
【生活習慣】
思春期は心身共に急速に成長する時期であり、また活動の旺盛な時期でもあります。
栄養的には生涯の中で最も多くの栄養摂取が必要になってきます。
非規則な食生活や不適切な生活習慣が成長や健康の妨げになっています。
自立心が芽生えてくる思春期は外部に目が向き、食べ物を自分で選択する機会が多くなり
ます。外食回数の増加、ファーストフードやコンビニの食品摂取の増加などが挙げられま
す。これらが習慣化するとエネルギーの過剰摂取や塩分、脂肪の摂り過ぎに繋がります。
女性を対象にすると、ダイエットによる痩せの増加があります。
マスコミやテレビ、社会の風潮に問題があるといえます。
しかし、自分自身を客観的に見つめ、適正な食行動を心掛けることが大切です。

思春期では夜型の食生活も問題点の一つです。
まず、テレビ・ビデオコンピュータの普及があります。
約8割の子供達は自分の部屋を持ち、テレビが備え付けられていることが多いようです。
特に男の子はテレビゲームを好む傾向にあるようです。
携帯電話を持っている高校生は95%を占めているそうです。
次に、熟通いや受験勉強による夜更かしをする若者が多くいます。
夜更かしは体調の維持に悪影響を及ぼし、起床時間や朝食の欠食にも繋がります。
思春期における不適切な食行動や生活行動は高脂血症、高血圧症、糖尿病などの生活習慣
病の発症を若年化させるので適正な生活習慣を保つことは重要です。
【喫煙】
未成年の喫煙は成人になってからの喫煙に比べ、肺機能の低下やガン、心臓病のリスク
が高まります。好奇心や友人が吸っているからなどと単純な動機で始まっていることが多
いようです。
【飲酒】
未成年者の飲酒は中枢神経系や肝臓、生殖器に対して大きなダメージを与えます。
【薬物乱用】
主な薬物は覚せい剤、大麻、コカイン、シンナー、トルエンです。
薬物を連用すると心身的にも精神的にも異常があります。
薬物を中断すると、禁断症状が生じ、異常行動をとることがあります。
食の課題
【栄養と生活習慣】
現代の思春期の子供を取り巻く環境は、塩分や糖分の多いおやつ、洋風メニューなどの
嗜好性が強く、このような嗜好に合わせた間食や軽食、糖分の多い飲料などが手軽に手に
入る食環境が形成されている。また家庭では間食が自由に与えられ、食事も児童・生徒の
嗜好に合わせた肉類中心のメニューが多くなっている。
女性の就労率が高くなるなどの社会の変化と共に、家族をれぞれの食行動が多様化し、朝
夕共に食事をし、団欒の時を過ごすことも少なくなった。そして子供たちだけで食事をす
るいわゆる「孤食」と呼ばれる状況が多く見られるようになった。
このような食環境の中で子供たちの食生活はどのような影響を受けているのだろうか。
(1)食事リズムの変調
@朝食の欠食
 朝の起床時間が遅いこと、朝は食欲がないなどがその原因となっているの
 で、生活リズムに規則性を持たせること。つまり就寝時間を早くする、夜食の摂取をや
 めるなどの生活習慣の是正を勧める。
A間食のだらだら食い
 間食は食事の一つととして重要な役割を持っている。
 したがって、間食は規則的に決まった時間に炭水化物・たんぱく質・ビタミン・ミネラ
 ル類を含んだ食品で組み合わせるように、具体的な3点セットが望ましい。炭水化物の
 クッキーや(時には少しのスナック菓子)、牛乳、乳製品に果物などのセットが勧めら
 れる。
B夜食
 夕食後就寝前2時間を過ぎたら摂取を抑えるのが望ましい。夜遅い飲食は、朝の食欲
 を抑制すること、また炭水化物と脂質の食物摂取は肥満の要因となることを理解させ
 る。どうしても食べたがるときは、軽いお煎餅を少し与える。
C熟などによる夕食時間の不規則性
 夜遅い食事を避けるために、熟へ行く前に十分な食事をするか、または多目の間食をし
 帰宅後は軽い食事に抑えるように注意を促す。熟へ行くようになったら、朝食、昼食、
 軽い間食、夕食の規則性を守るためにその子供に合った時間を探して食事をするように
 指導する。
(2)家族との共食
子供の「孤食」は栄養素摂取にも適正を欠き、心理的にも食の満足感が得られにくい。
特に朝食の1人食べが増加しているため、家族の誰かと食事をすることを勧める。
食事の指導
成長期の食事の重要性や、自分に対する食物摂取の適量を質・量共に選択できる能力を、
具体的な例を挙げながら指導することが重要である。
思春期に見られる病体と疾患
肥満と痩せ
 近年我が国における食事情の急速な変化と飽食の結果、肥満は新たな栄養改善の問題点
 として注目されてきた。
 また、若い女性における痩せについては、美容上太ることを異常に嫌い、容姿のスリム
 さに対しての強い憧れによる無理な減食によるものや、種々のストレスの原因による痩
 せも存在する。究極的には深刻な事態(死亡例を含む)に陥る例も報告されている。
神経性食欲不振
 若い女性、特に思春期を中心とした青年期女子に多く見られる心因性の摂食低下による
 食欲不振をいう。拒食症とも呼ばれ、その多くは痩せたい、スリムになりたいという単
 純な動機による摂食制限(ダイエット)がエスカレートしたものである。その背景に
 は思春期特有の精神面での不安定な状態、偏重した精神状態(成熟嫌悪・強迫観念・肥
 満恐怖など)、痩せた女性を過剰に賞賛する社会背景による痩せ願望の増加などがある。
 幼少期における被虐待など歪められた成長との関連も示唆されている。本人は病識に乏
 しいが、一種の精神的な病気である。極端な痩せを特徴とする拒食が主に問題にされて
 いるが、現在では過食、嘔吐、隠れ食い、異物食べなどの摂食障害あるいは食行動異常
 と呼ばれる摂食異常をきたしている者も存在している。
 これらの時期における食行動の問題は複雑であり、一元的に捉えることは出来ず、その
 対処法も単純ではない。一人一人に応じた対処が必要である。
 症状しては著しい痩せ、嘔吐、無月経、甲状腺機能低下類似症状(便秘、皮膚乾燥、除
 脈、低血圧)などを発症する。治療は診断異常に難しいとされており、極端な場合突然
 死、衰弱死、自殺という結末を迎えることもある。
貧血
 この時期の青年(特に女子)には比較的高頻度に貧血が見られる。その原因の多くは
 鉄欠乏性貧血である。著しい成長のために血液量が急激に増加し、また、体の構成成分
 もたんぱく質をはじめ多くの成分が蓄積する。よって、これらの素材や代謝を円滑にし
 ている鉄、たんぱく質などの栄養素の摂取はとくに大切である。糖質、脂質、その他の
 ビタミン類、ミネラル類についても十分摂取しなければならない。女性の場合、月経の
 発来によって鉄損失が多くなるため、十分な鉄を摂取する必要がある。またこの時期は
 部活動などによる激しいスポーツに従事して、スポーツ性貧血を起こす者も多い。鉄欠
 乏性貧血をしてはビタミンB12や葉酸欠乏による巨血芽球を特徴とする貧血がある。
 食事からの鉄摂取量を求める場合には、どんな食事においても、ヘム鉄と非ヘム鉄を多
 く含んでいる動物性食品からの摂取割合には限度があり、最大40%である。残り60
 %は非ヘム鉄から摂取しなければならない。この非ヘム鉄の吸収率を高めるために、
 ビタミンCなどの吸収促進物質を同時に摂取することは大切である。
起立性調節障害
 めまいや立ちくらみなどの循環器系諸症状のほかに、消火器症状(吐き気、嘔吐、腹痛
 、精神の無力症状、神経過敏などの種々の訴えを示す症候群である。一種の自律神経失
 調症であって、従来は虚弱児などの概念と同一視されてきた。
 本症患者と健常者の間に明確な境はないが、前思春期から思春期に多いので、成長過程
 における生理的現象の一部として理解される。本症には体質的、遺伝的、精神的要因の
 占める割合が大きく、特に精神的、肉体的疲労を動機として起こりやすい、患者の母親
 には本症のいくつかの症状をもつ例が多いとされている。
 診断は厚生労働省の研究班が示した診断基準によって行われる。症状が診断基準に合っ
 た場合は薬物療法も考慮するが、外的刺激や不安定な環境に抵抗する力を養うため、外
 気浴、乾布摩擦、冷水浴などの心身の鍛錬も行われる。
 学校や家庭環境の是正も行い、病識を持たないようにして、自信をもって爽快な気分で
 生活する環境と自身の努力が大切である。
無月経
 月経が欠如した状態をいう。19歳を過ぎても月経が初来市内状態を原発性無月経。正
 常な月経周期が確立後に月経予定時期を2週間以上経過しても月経がない状態を続発性
 無月経という。妊娠や産褥、授乳などの場合の無月経は生理的無月経と呼ばれ、内分泌
 疾患や子宮、卵巣などの臓器疾患を原因とする病的無月経とは区別される。
 若年女性では単身で生活するものなどにストレスがたまったり、厳しい受験勉強や、激
 しいスポーツ、誤ったダイエットなどを原因とする無月経も生理的無月経と分類されて
 いるが、この時期に長期間の無月経があることは、不妊症の原因として知られている子
 宮内膜症を招来したり、中高年以降での骨粗鬆症の遠因をなるので、放置せずに専門医
 の指示を仰ぐことが大切である。

思春期の健康ポイント
思春期の時期は食事の時間が不規則になったり、外食をする機会が増えることなどのより
食生活が乱れ始めるので、朝・昼・夜とバランスの良い食事を摂り、無理なダイエットは
止めてみんなで楽しく食事をすることが大事なポイントです。

タグ:栄養
posted by ランナー at 15:42| 東京 曇り| Comment(0) | TrackBack(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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